当館の紹介

設立の経緯

かつて琉球の王都であった浦添は、13~14世紀頃に日本をはじめ中国・朝鮮・南方諸国との交易によって経済的繁栄と豊かな文化を作り上げていました。このような歴史的背景を、現代の都市づくりに生かす取り組みの一つとして、昭和58年に「琉球漆器の美展」が開催されました。本展は、本土へ渡った琉球漆器の名品約180点を沖縄ではじめて紹介し、内外に大きな反響をよびました。

これを機に美術館建設の要望が高まり、平成2年に日本初の漆芸専門美術館・沖縄初の公立美術館として浦添市美術館が誕生しました。以後、優れた美術作品の鑑賞の場として注目を集めているほか、収蔵品をはじめとする漆芸品の調査研究も行っています。

活動指針

漆器の美を紹介 - 常設展示 -
当美術館は、16世紀から現代までの優れた琉球漆器のコレクションを中心に、日本をはじめ周辺諸国の漆芸品も収集しています。 常設展示室では、半年ごとに新たな切り口を設け、当館の収集した琉球の漆芸品を中心に、約60点の作品を展示・紹介します。
世界の美が浦添に - 企画展示 -
国内はもちろん世界の優れた美術作品について、ユニークで質の高い展示会を開催します。講堂では展示会に関連した講演会や映写会を行います。
創作と発表の広場 - 作品発表と教育・普及活動 -
当美術館の企画する展示会以外にも、一般のグループ展や個展などの発表の場としても利用できます。また、当館の実習室では漆芸教室や版画教室、陶芸教室などの実習を定期的に行います。
琉球・アジアの漆芸品の研究 - 調査・研究活動 -
琉球王朝文化が誇る琉球漆器を中心に世界の漆芸品について調査・研究し、その成果を発表していきます。

建物について

美術館外観

国道330号線から見える、ドームのような塔のような、不思議な建物に興味を惹かれたことはあるでしょうか。緑の合間から見えるうす茶色の建物は、ある人にとっては東南アジアの空気を感じさせたり、またはヨーロッパ古都のたたずまい、あるいはイスラムの香りを思い起こさせるかもしれません。この多国籍風の建物の正体は、沖縄県で初めて建てられた公立美術館、浦添市美術館です。

浦添市美術館を設計したのは、高円宮邸や世田谷美術館といった傑作を生み出した建築家、故・内井昭蔵氏です。 内井氏は浦添市美術館の設計について、「塔と回廊による構造」をテーマにし、次のように解説しています。

「建築は垂直方向に展開される塔性と、水平方向に展開される回廊性によって構成される。塔性とは足で地をつかんでいる人間、一つの世界を表現し、回廊性とは人と人、世界をつなぐ存在を表現する。人や世界は一つではなく、多くの人や世界とつながって共存し、より大きな存在となる。」

(参考:「塔と回廊による構造」『新建築 』 p249. 1990 新建築社)

主な施設

常設展示室
常設展示室は5室からなり、常に琉球漆器の展示を行っています。浦添市美術館が収蔵する琉球漆器の多くを見ていただければと、年に3回、テーマを決めて展示の入替をしています。
企画展示室
企画展自室は大小3室からなり、絵画展や書道展といった平面的な展示会から、彫刻やインスタレーションといった立体物や空間的な展示会にも対応できような作りになっています。過去にはナポレオン展や古代エジプト展などの総合的な展示会にも使用されました。
図書室
図書室
2階にある図書室には、各種美術雑誌から日本の美術、世界の美術、美術全集、美術年鑑など様々な書籍が置かれています。また琉球漆器専門の美術館ということもあり、沖縄独特の漆器や染織、織物などの工芸に関係する書籍も取り揃えています。
実習室
実習室
実習室には、漆芸室や木版・彫刻室、陶芸室や窯などが用意されてあり、充実した実習を受けることができます。毎年4~6種類ほど実習教室が開催されますので、実習参加者だけでなく見学にもお気軽にお立ち寄りいただけます。

施設案内図

館内案内図

施設概要

施設概要
敷地面積 7,066平方メートル
延床面積 3,360.89平方メートル
導入部門 268.41平方メートル
展示部門 878.84平方メートル
常設展示室 476.47平方メートル
企画展示室 384.09平方メートル
施設概要
教育研究部門 375.20平方メートル
収蔵部門 154.27平方メートル
調査研究部門 154.27平方メートル
事務管理部門 186.68平方メートル
電気機械部門 337.92平方メートル
共有部門 679.08平方メートル
施設概要
構造 鉄筋コンクリート造/地上2階・地下1階
竣工 平成元年7月31日
開館 平成2 年 2月1日
設計・監理 (株)内井昭蔵建築設計事務所
(有)かみもり設計業務委託共同企業体