スタッフのつぶやき 2020年度

公開日 2020年05月19日

最終更新日 2021年02月04日

つぶやき

 

うるしのはなし 5 2021.2.4

漆器をカラフルな木彫風文様で飾る堆錦(ついきん)は、沖縄を代表する技法です。焼いたウルシに顔料を加え練り込み、“モチ”と呼ばれる薄いシートにします。そのモチを文様のかたちに切り抜いて漆器の表面に貼り、立体的な文様をつくります。はじめは軟らかなモチですが、やがて漆の乾燥とともに固くて丈夫な漆器になります。
この技法、もともとは中国に端を発し、琉球や東南アジアまで広がりました。そして堆錦技法は、琉球ではカラフルな木彫風、東南アジアではゴージャスな立体文様となりました。(M.M)

黒漆雲龍堆錦印籠 籃胎堆起漆籠
黒漆雲龍堆錦印籠(琉球)          籃胎堆起漆籠(ミャンマー)

 

 

うるしのはなし 4   10.27

 

ハゼノキはウルシ科の植物のひとつです。かつては沖縄の島々のいたるところにあり、王国時代はその実がロウソクの原料となる有用木として珍重され、租税の対象にもなりました。一方、ハゼノキは方言で「イーゴーギー」と呼ばれ、触れると体がかゆくなる木として嫌われ、明治以降は山奥にひっそり追いやられてしまいました。
実はこのハゼの樹液は、ベトナムや台湾では塗料として用いられています。16~18世紀ごろ作られた琉球漆器には、化学分析でハゼノキの主成分であるラッコールが検出された漆器もあります。
古琉球では”ハゼ塗り漆器”があったかも?!(M.M)

美術館のハゼの木  ハゼのろうそく

赤く色づいた美術館のハゼの木         ハゼノキのロウソク(近江手造り和ろうそく大與)

 

 

うるしのはなし 3   8.11

 

今年も、美術館のマンゴーの木に可愛い実が生りました。マンゴーは800種類ほどあるウルシ科の植物の仲間。美味しいマンゴーも、ウルシ同様かぶれる人も多いです。美術館のマンゴーの木は、5~6メートルはありそうなほどの大木ですが、日当たりが良く、建物に囲まれ台風の被害からは免れています。しかし高木なため、熟して美味しいマンゴーはコウモリのごちそうになっているようです。
実は、コウモリ(蝙蝠)の文様は、漢字が福につながることから、縁起の良いものとされています。美術館にコウモリが来るということはつまり、美術館に「福」来たる!?(M.M)

マンゴ木2   マンゴ漆7467
美術館のマンゴーの木            マンゴーの実

 

 

うるしのはなし 2   7.14

 

南国イメージといえば芭蕉。バナナ科の芭蕉には3種類あります。
「糸芭蕉」は沖縄を代表する芭蕉布となり、「実芭蕉」はカリウムたっぷりで健康食品のバナナ。そして「花芭蕉」は高貴な紫色の花を咲かせます。
梅雨のあけた今も、美術館の横では瑞々しい花芭蕉が映えます。
我が家にも花芭蕉文様の堆錦皿があります。このような、身近な花木が漆器の文様になったのは明治以降のことで、これはモダンデザインの漆器です。(M.M)

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花芭蕉                   花芭蕉文様の堆錦皿

 

 

 

 

うるしのはなし 1   6.17

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アジアの楽器(18-19世紀ごろ)        日本の漆器(16-17世紀ごろ)

 

ウチナーグチで「ヌイムン」と呼ばれる漆器。漆器には、日本や中国、ミャンマーやタイ、ベトナムなどの、ウルシノキやその近隣種の樹液が塗られています。漆器には、風土が生み出した力強い美しさと、柔らかな光沢で人々を魅了してきた長い歴史があります。
かつての琉球王国においても、漆器は中国や日本との外交の要となる献上品として大きく発展しました。さらに、材料や技術をアジア各地に求めることで、高度な技術や特色あるデザインの漆芸美が花開きました。
アジア各地の香り漂う琉球漆芸から、グローバルな美意識でアジアとつながった王国のすがたが偲ばれます。

現在美術館では常設展「アジアを紡ぐ展‐漆器‐」が絶賛開催中です。この機会に、魅力あふれる琉球とアジアの漆器をぜひお楽しみください。(M.M)

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ミャンマーの漆器      中国の遊具箱(19世紀ごろ)
(19-20世紀ごろ)

 

 

 

【館長】5.19 五月の庭

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花芭蕉が咲きはじめました!

ほかにも植物がにぎやかになってきています。

このような変化も楽しめるのは緑に囲まれた当館ならではですね(^^♪

自然に囲まれた美術館に、お散歩気分でぜひ遊びに来てください。

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